BETU room R(イラストレーター / CM 絵 コンテライター)うらばなし

BETU room R illustration 

べつるーむあーる(イラストレーター / CM 絵 コンテライター)

べつ ルームアール イラストレーション CMコンテライター 

べつるーむあーる イラストレーション プライベートサイト  Japanese Version Only  

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パジャマ

それは、真夏のような太陽が照りつける日の事だった。睡眠不足と灼熱の太陽で脳みそが溶けそうになりながら、この日2件目の受けで徹夜の身体をひきずっていた・・だが、昔からよく知る会社なので気分は楽である。スタッフとも和気あいあいで楽しい雰囲気のまま仕事を受けられる。CM制作にはこうした雰囲気が大切なのだ!
 
その仕事は某下着会社のCMである。冷房のきいた会議室へ通され、しばらくすると今回の担当者が現れた。男性2人と女性2人であった。モノ(商品)が下着なので女性がいると心強い。
 
発注は順調に進み、資料やサンプルの話へ移る。先日撮ったビデオがあるのでプリントアウトして後日発送するという事になり、ほとんどの資料は揃う事になる。ただ、CMに出るパジャマの現物をどうするか考えていた。たいして重いものでもなし持ち帰ってもいいのだが、後に届くだろうプリントで 間に合うのだ。
そうこうしていると、『Yさん』(男)がささやいた。「それはビデオで女子大生が着たパジャマですよ、匂いも残ってるかも・・」正直、グラッとくるお言葉である。なぬ!? 匂いとな・・スメル・・アロマ・・何の・・あれの・・?変な妄想に走るのは男ならしかたない所である。(そうだそうだ!)
あー・・どうしよう、欲しいかもしんない・・(わかるぞっ)しかし、ここには女性が2人もいるのだっ。それも私の両側にだ。きっと私の心の動きを敏感に察したに違いないのだっ。左の『Nさん』は「どうぞっ」という笑顔を浮かべている・・ 右の『Mさん』は無関心を装っているようである。だが、だまされてはいけない。(ほんとか?)ここで、持って帰ってしまったら、私の印象はどうなるのだ。(そうか??)「やっぱり持って帰るのね」などと言われたら、私は固まってしまうだろう。そして、「やっぱり香りは確かめてるわよね」なんて話になったらまずいぞ・・ ここは冷静になって、あえて危険を犯すのは控えよう。
 
私は言った。「あっ、プップリントでいいでしゅ~」
しまったっ! ちょっとうわずったかもしれない・・(汗)
 
結局、パジャマと少しの未練を残しつつ私は会社を出たのであった。
ん~~、あーゆー時はいろんな計算をしてしまうんだね・・
 
それにしても、あのパジャマはその後どうなったのだろうか・・

(株)ウイークス様移転パーティー

'99.8 受けの後、ちょうど会社移転のパーティーに遭遇。
「ただ酒が呑める」・・外は暑いしそれだけで必要充分条件!早速パーティー会場へ行ってみる。昼間なので爆発的盛り上がりはないが、なんともキレイな女性がいっぱい。6~7人いるだろうか、どうやらモデル事務所のおねーさん達だそうで、 これはラッキー!さすがにちょっとした動きが“もでる”しております。
 
ビールをたんまりいただき上機嫌になる。(昼間酔っ払って歩くのは平気な人で ある《ちょうど日焼けしていたので見た目わかるまい》)夕方には盛り上がるんでしょうね。頼んで写真を1枚撮らせてもらう。(いつもお世話になってます♪)
 
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ついでに、モデルの彩ちゃんのプロフィールをゲット。(何に使うの?)
 ・・業界の皆様いかがでせう。
 
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CMのお仕事、たまには美味しい話もなくっちゃね。
ウイークス様からTシャツと分厚いノートを頂きました。
 

東京のコンテが止まる日

何年も同じ仕事をしていれば自ずと同業の知りあいも増えてくる。東京に・・いや、日本に何人のコンテマンがいるだろうか。200人?300人?・・あっという間に絶滅しそうな人数だ。この人数でとりあえず間に合っているようなのだが、1人が日に2枚のコンテを描くとして400~600案(カラー)これは全てのコンテマンに均等に仕事が廻るという条件付きだが。実際にはもっと少ないはずである。(1日の平均コンテ発注量がどれほどか定かでないが、特にコンテマン不足はないようである)毎日全てのコンテマンがフル活動などしていない。知りあいになるコンテマンはそれなりに売れている(コンテメインで生活が成り立っているというべきか・・)人達なのだ。 何度も顔を合わせるので名刺交換などする訳である。最近は夏休み、正月休みなどきちんととる人達が増えてきた。正月は日本全国休みだから発注側も対処のしようがある。夏休みはお盆の時期を除けば不定期なのでこれも対処できる。
 
それなりに売れているコンテマン達が同じ日に休みをとる。これは結構凄いことなのである。発注側は、その日に限って誰に電話してもつかまらない。「なんでみんな忙しいんだ?」てな事になってしまうのだ。東京のコンテは止まりはしないが、少しは影響が出ているはずである。
 
「1年に1回くらいみんなで会おうよ」 誰ともなく発せられた言葉で、この会は始まった。『ぼ~ねんかい』である。回を重ねるうち参加者が増えていけば本当に【東京のコンテが止まる】・・かもしれない。(笑)
 
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その場描き(現場描き)

tel:「その場描きはなさらないんでしたっけ?」
私:その場描きの依頼である。「時間が合えばやりますが」
  .(この場合“一晩くれ”と言っているのである)
tel:「先日の追加が出まして、大至急描いていただきたいんです」
私:昨日届けた仕事か・・なんとかせねば・・「いつまでですか?」
tel:「明日の13:00から16:00ころまでです」
私:なんとまあ、明日は休むはずだったのに・・しかも〆の時間まで短いのね・・なんだかいやな予感。 ..「何案ですか?」
tel:「まだはっきりしませんが、さきほどの時間で仕上がる程度だと・・」
私:私の作画時間を見切ったと言われるのか・・「ほえ?」
 ..(注)『ほえ?』は頭が回らない時に発する言葉
私:「大きさは?」
tel:「このあいだのA3カラーで」
私:おいおい、カラーだって?あの時間じゃ1枚程度しか出来ないぞっと。
  ..それに道具も必要じゃんか!
tel:「お時間ありましたら、なんとかお願いします」
私:こんなの何年ぶりだ・・HPのネタになるかな?(これがいけなかった)
 .「わかりました、コンテマン出張モード特別編で伺いましょう」
  結局、承諾してしまったのだった。
 
道具を持っていく、これはかなり重い。ボード・定規・ペンセット・絵の具・梅皿・筆洗・筆・・・etc あちらで大々的に店開きか・・(10年に1度あるかないかだ)人に囲まれて絵を描くのは調子が出ない(大抵気を使って1人にしてくれるのだ が)「さてと」とか「おしっ」「はいほー」などと独り言を言っている。案の定、ずいぶん沢山発注していただいた。もうお腹いっぱい。(あれもこれもと増えるのは疲れますなぁ)なるべく早く仕上げるために普段使わない集中力を出してしまうのだった。テキパキ星人の姿を見られた以上、今日目の当たりにした事は忘れてもらわねば。いとも簡単に描いているように見えたでしょうが、あれが長年培った 技術の結晶であります。その苦労たるや・・・
描けそうで描けない、これがコンテだったりする。
 
DSC00515.jpg画面右下で作業(完成間近の図) 
 
 
 

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番外編 (旧『べつ・るーむあーる』の話です)

べろべろに酔って帰った日の事だ。脳みそがアルコールで麻痺しかかっているのにネットにつないだのである。べつ・るーむを開く・・ ユラユラした視界の中にグレーの画面が広がった。
「なんだかよく見えねーなぁ」
「グレーに白は失敗だよな・・」などと思いながら目を凝らして見る。すると、そこには信じられない文字が浮かんでいるのである!
 
コンテがウ※チに見える・・なんてこった!
 
コンテマンの生活・・が、ウ※チマンの生活に見えるのだ!
 
確かにウ※チはするが、ウ※チマンと呼ばれるのは辛い・・世間でこんな風に呼ばれたら絶対に他の人から勘違いされるずら・・「見事にあなたのウ※チを出しましょう」なんて会話をするんだろうか?ウ※チマンでは力もなさそうだし、空も飛べそうにない・・何の役にもたたない感じだ。コンテマンなんて名前、俺がつけた訳じゃない。私たちの間では『ストーリーボーダー』がいい・・という事になってるんだ。そうすれば、女性がコンテマンと呼ばれるへんてこもなくなるぞ。冗談じゃない、やっぱりみんなで改名しよう!
 
我々は『ストーリーボーダー』だぁ!
 
思わぬ事態に頭がぐるぐる回っている・・う~~ん、ちょっとがっくりきているのか?以前からあんまりいい名前じゃないよな・・と思っていたのだ。いつもコンテ屋さんと呼ばれている、床屋さんや八百屋さんと違うだろ・・これがウ※チ屋さんでは大爆笑だ。
受付嬢:「ウン※屋さんがいらっしゃいましたぁ」・・言う方も恥ずかしいぞぉ
カメラマンをカメラ屋さんと呼ぶんだろうか・・漫画家みたいにコンテ家ってのも変だ。絵コンター?・・(汗)なんかいい名前はないのか?
 
ただでさえ頭の回転が悪いのにこれ以上は無理と判断してベッドへはいずっていったのである・・(酒は恐い)ひどく酔った人がこのHPを見るとまずいな・・と思う私であった。
 

実験してみたい方へ:目をほそめて頭をぐるぐる回しながら見て下さい(やっぱりやめて!)  

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日本ではコンテマンをストーリーボードアーティスト(S.A)とは呼びませんねぇ。

キャンセル

我々のスケジュールは電話による予約制で成り立っている。「いついつは空いていますか?」と言う電話でスケジュールを組み立てていく。早い時は1ヶ月前というものもあったが、とても当てにならない予約である。発注が近づく頃に大抵変更になっていた。通常1週間から2週間前の仕事依頼が多い。暇な時に電話がくればいいのだが、世の中そうはうまく動きません。忙しい時にめちゃくちゃ忙しい。同じ時期にいくつも依頼がかさなるのである。当然はやい依頼がスケジュールを埋めていく。次に来た電話はお断りするしかない・・<(_ _)>
順調にスケジュール通り動けば問題ないのだが、これがまた業界の体質なのか、いつまでもふらふらとはっきりしない時があるのだ。もちろん、実にきちんとした発注をしていただける方々も多い。受けの時間や枚数、納期の変更など、私の対処可能な問題ならなんという事もな いのだが、どうにもならないでしょ・・というのがキャンセルである。
キャンセルは月に数回は必ずある。 早めにキャンセルがかかれば別の仕事を受けられるのだが、予約制になっているため今日明日の仕事の依頼は極端に少ないのである。
 
金曜午後受けの仕事を金曜の午前中にキャンセルされると金・土・日・月の期間仕事がスッポリ空いてしまうこともある。(発注が大量の場合)前日キャンセル、当日キャンセル、ひどいのは仕事を受けた後の爆弾キャンセル (おいおい)これらは殆どの場合どうにもならない。(休みができて嬉しい時もあるのだが・・)そもそもキャンセル料を払うという慣習がない。(仕事にかかると料金が発生します)代理店によっては「キャンセル料をお払いします」と言っていただける場合もあるが慣れていないので、こちらが恐縮してしまう程である。
 
以前、キャンセルが相次いだ事があった。仕事の依頼は山ほどあるのに実際には仕事ゼロという異常な状態。当たり前だが、その時期のお金は一銭も入ってこない。仕事はしただけ見返りがある。仕事をしない、又は無い時は失業者と同じである。コンテの作画料が高いのは、このような状況が影響しているのかもしれない。(ウソ)
 
キャンセルに文句を言っている訳ではない。止むを得ない事情も当然理解する所である。今迄通りで結構なのだが、変更ならびにキャンセルの通知はできるだけ速い事が望ましいと希望してやまない今日この頃・・いやさ以前から(ピヨピヨ)です。
 

(大至急の仕事でもモノは試しで私にお電話下さい。スケジュールが空いている可能性も!)
 
《すでに一か八かを実践されている方、ありがとうございます。これからもよろしく☆》
 
ついにキャンセル料を設定いたしました。「あんまりだ」の場合しょうがないですね(2000.06)
 

そういえば・・CMG(コンテマンズギャラリー)はこのメンバーでした

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ゲストで市川 準様に来ていただき、この場をかりてお礼申し上げます。
 

偶然、写真を発見した訳です。おもしろかったです。(注)私の身長は2mを越えます。

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サーチエンジン 

私がHPを立ち上げた1998年当時、『コンテマン』で検索しても誰も見つからなかった。つまり、私が日本で最初にコンテマンのHPを立ち上げたようである。99年後半になってようやく『絵コンテ』で何件か出てくるようになった。あまりにもマイナーなコンテマンがネットの世界に現れだした。日本のストーリーボードアーティストがんばれ!!仲間内ではユニオンでもつくってみんなで助け合おうなんて話もあったが、日本中のコンテマンを集めたって高が知れている。仕事を上手に振り分けたり、コンテマンの地位向上も(低いのか?)狙うぞなんて話になっておった。結局、面倒な事が嫌いな人達だからコンテマンをやってたりする。自分たちでユニオンをつくるのは相当面倒でしょうな・・
 
他の方のHPを見るかぎりコンテオンリーの人は少ないようだ。イラストレーター的コンテマンorカンプライター。コンテマン的イラストレーター・・そんな感じである。
私なんぞ、こてこてコンテマンでござる。
 
日々コンテの仕事に追われ好きな絵を描く時間はない。私の場合『自分の絵』を描く時、生活から他の煩わしい事を切り離さないとだめなのだ。仕事の合間を見てちょこっと描く・・というのが出来ないのである。描くとなったら1週間以上は集中したい。ちょくちょくそんな事をしてた日には、お得意様に迷惑千万。結局、仕事の依頼があれば、自分の絵は後回しになってしまう。したがって、私はめちゃくちゃコンテを描くのだ。(一辺倒になってるね)
それにしても、最近数人の絵描きさんを集めたコンテ制作会社が増えてきた。
たくさんの人間を使うのは難しい・・私は1人で社長から雑役までやっている。もともとコンテ制作会社で複数のコンテマンがいた所の出だから、絵書きさんをたくさん使って数をこなそうというのがダメになるのを見てきたのだ。絵描きの立場でいい気がしない・・かなりの給料を払うか、内気な人ばかり集めなきゃ無理がかかる気がしますな。
ルームアールの法人化は会社にした方が税金で優遇される為でありました。(当然社員は最小)青色申告じゃ税金を払うのがバカらしくて仕事をしていられない。(そういう国だ)
 
アメリカの Storyboard Artist 沢山発見!
あらためて日本のコンテを描いてるなぁと実感。久々に刺激になって絵の幅が広がればと思ふ。
 

そういえば、お会いしたことありませんわね

仕事のスタイルは多岐にわたるようになった。
以前は仕事の受けも届けも自ら動くのがあたりまえ、いや、これしかなかったのだが、いつしかファックスでのやり取り、カラーコピーの出現、宅急便・バイク便の登場、Mac処理、メールの利用と様々な方法で仕事が出来るようになった。
現在、netを利用した仕事はほとんどないが、これから当然増えてくるだろう。(やはり日本は遅れているんだろうか、Mailの活用だけでも随分変わると思うのだが・・)
あるS.Aは、いずれ海外のどこかの島でnetを使って仕事をし、のんびり暮らすと言っておられた。貨幣価値が違えば、わずかな仕事でのんびり暮らすのも夢ではないな・・
 
私には今まで何度も仕事をしているが一度もお会いした事がない方々がおられる。実際にお会いする事なく仕事が成立しているのだ。仕事の発注は企画の上がりが見えない場合、現場でいつまでも待っている訳にいかんので、ラフコンテが出来上がり次第ファックスで送ってもらうのだ。必要な資料はバイク便で届けてもらう。(いずれMailでも出来るでしょう)ラフコンテの説明は電話でできる。(TV電話もいいね)たいてい真夜中になってしまうが、私は一番元気な時だけにありがたい。翌日、仕事が仕上がればバイク便による届けで、結局一度も顔を合わせないのである。信用できる相手(会社)としかできないが、これはこれで便利である。
 
コンテのように時間のない仕事にはnetはもってこいのシステムではないか。日本中の相手と自宅で仕事の受け、作業、届けができる。相手がどこにいようと関係なく仕事が成立するとは、なんと便利なんでせう。
 
アメリカの現状を調べたい気もする。(英語ができたら便利でしたな・・)知りあいに頼んでみようと考えているのだが・・まずはHPの英語版からか。海外の仕事も出来ないわけではないのか・・時差と契約が問題だろうか・・いやいや、その前に英語が使えねば・・
場所を選ばず、自ら動く事もなく仕事ができるとは、実に驚くべき事である。
 

東京は便利で仕事も多い所だが、離れていても何の問題もなくなるのだろう ('99.10)  
 
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